【イベントレポート】岩本真実さんに聞く〜個性ある子どもたちの放課後の居場所「ぽにょ」のこと〜【食べて支援!】石巻発『うんめえもん市』のお弁当を楽しむ会Vol.38 6月27日
6月27日のさくらWORKS<関内>では、岩本真実さんに聞く〜個性ある子どもたちの放課後の居場所「ぽにょ」のこと〜【
▽『うんめえもん市』について
当日のお弁当や食材は、横浜と石巻との交流から生まれた、若者自立就労支援X石巻進化躍進支援「うんめえもん市」で購入します。三陸の名産品を使って横浜市内で調理したお弁当や、石巻の特産品などを販売することで、復興支援活動につなげる取り組みです。 「うんめえもん市」は、若者の自立支援に取り組むNPO法人ヒューマンフェローシップ(横浜市磯子区)が2011年11月から、横浜市とともに進めている若者の就労支援プログラム「よこはま型若者自立塾」の活動の一環として開催されています。
<過去のうんめえもん市の際のお弁当写真>
今回のイベントでは、生きづらさをかかえた青少年たちの支援と東日本大震災被災地の復興支援の象徴である「石巻発『うんめえもん市』のお弁当」事業を展開する「K2インターナショナルの岩本真実さんをゲストにお招きした拡大版として開催しました。
岩本さんにお話いただくのは、同グループのNPO「コロンブスアカデミー」の自主事業「放課後ドラマぽにょ+(プラス)」のことです。
岩本さんは、様々なテーマでお話をしました。
【若者支援に対して】
・社会に出ていける力をつけてあげたい。
・K2インターナショナルでは若者が働く場も作っている。
・若者支援の年齢も10台が中心だったのが30代になってきた。
・メインはニートや引きこもりの支援だったがその出口なども手掛けるようになってきた。
などを話しました。
「放課後ドラマぽにょ+(プラス)」については、
【青少年支援のイメージが強いK2インターナショナルが、なぜ年中児〜小学校6年生を対象にした学童を開設しているのか?】
という疑問に対して解答していました。
・スタッフが子育てで困っている中で、母親の居場所を作りました。K2の元生徒も、子供を産んで悩んでいたため、その相談の場になりました。
・近所の学童保育が閉鎖したことをきっかけに自分たちで行ってみようと始めました。
・沢山の子どもを預かり、状況も見えてきた中で本当に必要としてくれている人たちだけに絞ることにしました。
・学童保育で受け入れ拒否される子もいるが、ぽにょ+では積極的に受け入れていること。トラブルにもなるが、トラブルも学びとしています。
【2015年度から横浜市からの補助なしの運営に転換した理由】として岩本さんのお話や、ぽにょ+webサイト記載の内容などをまとめると
・支援事業の限界を感じて、自主事業に切り替えました。市への報告などの業務の負担が重かったという状況がありました。
・開所して5年目には登録人数が100人を超え、場所としてのキャパシティが限界になり、補助事業としての学童であれば市のルールに従い、別の拠点を用意し、分割しなければいけない状況でした。
・2015年、自主事業化した際に定員を縮小、限定しました。別拠点を作り拡充していくのではなく、同じ場所で続けていくため、受け入れ可能な人数に設定しなおしました。
・その様なことを行った背景として、地域としても学童保育施設が増加し、放課後過ごす場所としての選択肢が増えた、ということもあります。
・不登校、引きこもり支援を27年間続けているK2インターナショナルとして、7年間の学童保育の活動を通して、学齢期(特に小学生期)の過ごし方がどれだけ重要か、ということの確信を深めました。
それまでも国や市が定めるような「放課後健全育成事業」としての「学童保育」ではサポートしきれないサービスには自主事業として開所当時より行っていたものの、平成27年度より「放課後ドラマぽにょ+(ぷらす)」として、完全自主事業化したとのことです。
【学童保育を行っていて、ありがたいと思うこと】
・若者支援により地域と違うところから若者が来た場合に地域からは疎まれがちですが、学童を行うことになってからは地域の若いお父さん・お母さんとのつながりが出来ました。
・ひきこもりの若者が地域の子どもの面倒を見ることにより、若者支援への理解をしてもらう機会を持つことができました。
・学童保育の子どもたちも、中学生になると学童を手伝ってくれるようになりました。
等を話していました。
★ゲストプロフィール
岩本 真実(いわもと まみ)さん
NPO法人ヒューマンフェローシップ 代表理事
湘南・横浜若者サポートステーション 総括コーディネーター
野村證券株式会社OL時代、K2インターナショナルの前身となるコロンブスアカデミーにてボランティアを始める。その後、ニュージーランドでの共同生活・アドベンチャークルーズにスタッフとして参加。帰国後、同団体に勤務。
平成9年より17年までの10年間をニュージーランド・オーストラリアにて不登校児との共同生活をしながら、就労支援のためのレストラン、ブックショップ計4店舗を立ち上げ、運営に携わる。
平成17年8月に帰国 厚生労働省委託事業 「若者自立塾Y-MAC」の立ち上げに参加、現在は同じく厚労省委託事業「湘南・横浜若者サポートステーション」の統括責任者として年間600人以上の若者の相談を統括するとともに、自主事業として若者支援を通じてまちづくりや地域課題の解決などをする事で就労困難な若者の働く場を広げている。
「支援する側とされる側」という構造ではなく、若者が地域の担い手として活躍の場をつくり、互いに助け合う仕組みづくりをする事で、持続可能な社会を目指ししている。民間団体としてフレキシブルで顔の見える活動を続けることが私たちの役割だと思っている。